思い出トランプ – 向田 邦子

エッセイばかり読んでいたからある意味新鮮な短篇集。どの作品も向田さんの独特な「昭和でウィットでペーソス」な雰囲気を醸し出している。

この作品は男女のテーマが多いのだけど、読んでみて、いつの時代も男って変わらないよなって思った。結局のところ、男ってのは女性の前で格好良くいたいだけなんだよなぁ。ちっぽけな見栄と自尊心を見破られないように一生懸命に取り繕って生きている・・・。そんな男心を見事に描いてしまう著者に脱帽。男じゃないと分からない世界ってあるだろうと(笑)それにしてもこの作品に出てくる女性がなんとも「リアル」で怖い。

父の詫び状 – 向田 邦子

「眠る杯」が面白いと言っていたら、妻にプレゼントしてもらいました。向田さんにかかると、何気ない話さえ、本当に面白おかしく仕立てられてしまうから不思議。読者には昭和の日常がリアルかつ、鮮明に思い浮かんでくることでしょう。それにしても向田さんは父親に対する想いは特別のようですね。本人は「眠る杯」にてちょっと書きすぎた・・・。ようなことを後日談として書いていましたが、父親のことを木訥で、粗暴でと言う割に、偉大な父親としてとても尊敬していたのではないかと感じました。そういう家族の等身大の気持がいっぱい詰まっているところも好きです。

眠る盃 – 向田 邦子

また、やっちゃった!

妻の持ってる本と同じものを買ってしまった。作家の好みが似てるからついやってしまうのです。(買う前に確認してよね!と後ろから声がする)また、やってしまったら笑ってください。

さて、最近は向田邦子さんの「眠る盃」を移動中なんかにパラパラと読んでいます。エッセイ集だから中断しやすいのが良いですね。でも、向田さんの作品って小気味よく話が進むものだから、続きをすぐに読みたくなってしまう。

それにしても、高度経済成長期の日本って、いきいきとしているなぁと思います。やはり、戦後の貧困の中から生き抜いてきた人たちは逞しいのでしょうか。それとも、向田さんがそういうタイプなのかもしれないけど。

自分が幼少の頃に聞かされた、祖母や両親の話を思い出しては、当時の日本の情景や、人々の生き様に想い馳せるのであります。