深い河 – 遠藤周作

本屋に立ち寄ったとき、ふと手にとった本ですが深く感動しました。

インドツアーで集う人々。それぞれに他人が想像することも出来ない過去や苦悩があり、その答えを求めるため、過去と決別をするためにガンジス河へ向かうという話。妻に先立たれた男が転生を信じたり、戦争で死生をさまよった男が亡き戦友の法要のためにツアーに参加するなど、様々なエピソードが描かれますが、「真実の愛」という言葉を信じることができず苦悩する美智子という女性と、キリスト教徒でありながら基教的な考え方に迎合できず、教会を追われながらも、ただ普遍的な愛を信じて生きていく、大津という男の生き様が対象的かつ印象的でした。そして、読了後に人間の不条理というものを感じずにはいられません。しかし、それと同時に人間の愛について深く考えさせられます。

自分は特定の宗教を崇拝していません。しかし、因果というか、業というものについて最近深く考えるようになりました。人間の行いが全て結果となって現れる。人間は原因をコントロールすることで結果をコントロールする。因果応報というものでしょうか。それは宗教として当てはめれば、仏教的な考え方なのかもしれませんが、業(カルマ)について深く考えることは単なる信仰心ではなく、一人の人間として大事なことなのかなと思うのです。なぜそのようなことを考えるようになったかは良くわかりませんが、震災後の価値観の変化なのかもしれませんし、両親と先祖や死生観について話をすることが増えたからかもしれません。いずれにしても、内省はまだまだ不肖な自分ですが一度きりの人生、大切に生きて行きたいと思いました。

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シンディ・ローパーの粋な計らい

3月4日、アルゼンチンの空港では飛行機の遅延や欠航が相次ぎ、待っている人々の不満もピークに達して、抗議をする人々でカウンターは大変な混乱となっていたそうです。しかし、たまたま同じように飛行機待ちしていたシンディ・ローパーがアナウンスマイクで名曲「Girls Just Want to Have Fun」を歌い出したそうです。おかげでみんな笑顔で拍手喝采。人々のイライラも収まったそうです。なんか、すごいいい話!

グラン・ブルー

先日、Apple TVで「グラン・ブルー」をレンタルして見ました。最初に見たのは18年ぐらい前でしょうか。学生の頃、サーファーだった友人がこの映画の素晴らしさについてあまりに熱く語っていたものだから、ビデオを借りて徹夜して見た記憶があります。リュック・ベッソン監督の出世作品で、フランス映画ならではのウィット&ペーソスたっぷりの映画。美しい海の映像とエリック・セラの音楽の素晴らしさに心が奪われます。そして何より印象的なのは個性的な俳優たち。主人公ジャックの子供のような純真さと、対極的なエンゾーのワイルドで艶っぽい男(この作品でジャン・レノが好きになった日本人多いですよね。)はどちらも男の姿ですよね?若い頃みたときよりもとっても魅力的な二人。ああいう男にあこがれるアラフォー世代なのであります。けど女性には嫌われそう(笑)

ひつじが丘

この物語は人間の愛、罪の深さ、業の深さを描いた傑作。「愛することは、ゆるすこと」 という主人公の父の言葉がすべてを物語っています。人間はいつのときも愛に悩み、翻弄されながらも信じて生きていくしかないのですね。「愛している」という言葉の重さについて深く考えさせられました。

ボロボロになった人へ – リリー・フランキー

ゴメンなさい。リリー・フランキーてばどちらかと言うと色物で、小説やエッセイも内容よりも話題性だけなのかと思っていました。・・・が、しかし、この考えは大きく間違っていたと思い知らされました。この短編集は小気味よく読書できて素直に面白いです。

トイ・ストーリー3 観ました!

「トイ・ストーリー3」観てきました〜!
もうね、ハンカチは必需品ですよ。号泣必至(笑)

「この夏、もっとも切ないさよならと出会う」とキャッチコピーにあるように、ついにウッディたちに、持ち主の少年アンディとの別れのときが訪れて・・・。シリーズ作品だし、いつかはこうなるとは想像していましたが、本当に寂しいなぁ。自分の子供が幼少の頃から、このシリーズを何度も繰り返して見てきたので思い入れが深いです。玩具でよく遊びましたしね。なんか、大きくなった子供たちと、今回の映画がオーバーラップしてしまいました。

以下ネタバレ含む

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カールじいさんの空飛ぶ家

これは予想外の感動作!

最初からいきなり涙。。。

主人公のおじいさんキャラとタイトルネーミングから正直なところ、あまり期待していなかったというか、先入観なしでいたからやばかった。はじまってから数分でもうピクサーの術中にはまります。冒頭の数分間、セリフの無い音楽と映像だけの部分が素晴らしかった。

それから物語はどんどん進んでいき、あっという間にエンディングとなってしまいましたが最後がすごく良かった。ホロリ。

結婚や人生は人それぞれの考え方、価値観が存在するので押し付けるようなことはいえませんが、映画をみて改めて思ったのは人は人を思いやって生きて行かなければいけないなーと。困っている人がいれば助けよと。パートナーにはgive and giveの愛を。

愛ですね。

ベンジャミン・バトン

会社帰りに近所の映画館で見て来ました:)

ブラッド・ピット好きにはたまらない(PVな作品とも揶揄される)作品ですが、じつはグレート・ギャツビーで有名なフィッツジェラルドの短編小説がもとになっているんですね。今時の映画にしては珍しいかなり冗長な展開ではあります。たぶん眠くなる人も多いかもしれません。でも、自分はこの作品は面白かったと思います。

やはり、人生や人間たるものについて考えさせられる作品でした。様々な人々の人生をベンジャミンの人生と交錯させながら描いています。富や名声、若さを求める俗物的な人間の欲望とは無関係に誰にも平等に訪れるもの。

それは「死」です。

運命は自分で幾らでも切り開けますが命運はどんなにあがこうが決して逃れることは出来ないのです。自分の人生を最後に評価出来るのは結局は自分しかいないのです。なので、自分らしく、今を精一杯生きることが大切なんだろうなと思いました。

なんてことを書いていると昔、観た映画に少々雰囲気が似ているなと気がつきました。そうなんです、じつはこの作品の脚本家はフォレストガンプも手がけた人らしいです。ハチドリが舞い降りて来たときに記憶がフラッシュバックいたしました(笑

あと、余談ですがCGがさりげなくすごいと思いました。ケイト・ブランシェットの若い頃がとても綺麗なんです。本人の若い頃そのままでビックリしました。

いのち

昨日、テレビ朝日「母子病棟〜壮絶なる愛と別れの記録 」という番組を見ました。重い難病を背負った子どもとその家族を追いかけるドキュメンタリー番組だったのですが、どんなにつらくても一生懸命に生きる子どもとそれを支える家族の絆を見て感動しました。

最後に紹介された、白血病の8歳の男の子は一年半もの闘病生活の末に亡くなってしまうのですが、協力な抗がん剤の治療の影響で合併症などで食事も出来ず、本人が一番つらくて苦しいはずなのに、母と妹を気遣って優しい声をかける姿に涙なしにはみられませんでした。最後まで笑顔を忘れなかった男の子は、母の心情を察していたようです。

最後に母親は男の子が生きているうちにもっといろいろとしてあげたかったと言っていました。母子家庭で毎日働きながら病院に一時間半かけて通っては一生懸命に頑張っていたのにもかかわらず。でも気持は痛いほど伝わってきました。人間っていつもは当たり前のように生き続けているけど、生きているということはそれだけ重みのあることなんですよね。一人の人間の存在は決して小さなものではないのです。

しかし、世の中には生きたいと思っていても重い病気で願いがかなわい人もいっぱいいるのに、健康で五体満足なのに自ら命を絶ってしまう人もいるわけで…。つくづく人間という生き物の難解さを感じたのでした。

こんなに健康で普通の生活が出来るだけで十分幸せだと思うんですよね。