映画「エール!」観ました!

フランスで4週連続でNO1となり、750万人を動員した作品。

ストーリー

フランスの片田舎で酪農を営む一家の物語。一見どこにでもある平凡な家庭だけど長女以外は全員が聾唖で全く耳が聞こえない。高校の合唱コンクールの練習で音楽教師に歌の才能を見込まれ、パリにある音楽学校への進学を勧められるのだけど、彼女の声すら聞こえない家族は大反対。自分の夢と家族との間に立たされた少女は一度は歌を諦めるのだが・・・。

前置きはさておき、とっても良い映画ですね!

以下ネタバレあり

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映画「ヴィンセントが教えてくれたこと」観ました!

ずっと見たいと思っていたけどなかなか行けずにギリギリセーフ(?)で見に行けました。

この映画は予告編の通りビル・マーレー扮するチョイ悪オヤジと、隣に引っ越してきた母子家庭の12歳の少年との奇妙な交流を描いたハートフルコメディ。映画ではありふれた題材だけど、この映画の中の主人公ヴィンセントは老成円熟な老人像とはかなりかけ離れていて、どちらかというと老害といわれてもおかしくないレベルの人物。そんな老人と少年が心を通わせていく過程が面白い。物語が進むにつれて老人の知らざれる過去や他人に対する優しさ、そして次第に希望を取り戻していく姿にいつしか共感を覚える。コメディータッチではありながらも孤独な老人や母子家庭の問題など世の中の問題も描きつつ、最後はとても感動的で、観る人全ての人々を幸せな気持ちに包んでくれる脚本が素晴らしいと思った。

とにかく枯れた感じが素敵なビル・マーレーが良い味出してます。ビルマーレーと言えば私は小学生の頃に見た映画「ゴースト・バスターズ」や「3人のゴースト」などのコメディ映画で有名な俳優さんで、最近では「グランド・ブダペスト・ホテル」に出演していました。なぜか最近、若者の間で人気らしく、あのテイラー・スウィフトも「Bill Murray」と文字がプリントされたスエットを着てハイムの3人と仲良く写真を撮っていた模様。サービス精神も旺盛でTV番組には変なコスチュームで登場したり、ファンのリクエストで誕生日パーティに出席したり、一緒にカラオケしたりとなかなかお茶目な人のようですよ。

映画「STAND BY ME ドラえもん」観ました!

大人が「泣ける」と評判の、映画「STAND BY ME ドラえもん」を見てきました。ドラえもんの世界が3DCGで描かれているとのことなので当然3D版で。まずは予告編をご覧ください。

以下ネタバレあり

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レイジ – 誉田哲也

iBooksに誉田哲也の「レイジ」がリリースされていたので購入。音楽の「バンド」を題材にしたいわゆるバンド小説です。物語は中学3年の学園祭のステージで演奏した4人の少年のうち、礼二と航(ワタル)の二人の視点を通して描かれます。お互いの実力を認め合いながらも相いれず、別の道を歩んでいく二人。上を目指す過程での葛藤や挫折。やがて大人になって音楽とは関係のない仕事につく二人だったけど、ある出来事をきっかけに・・・、という感じの内容なんだけど誉田哲也の小説は人物の心理描写が上手いので、物語にグイグイと引き込まれてあっという間に読了してしまった。ときにはほろ苦さを感じながらも、友情って大切だよね、青春っていいね、と読みながら目頭が熱くなり、読了後にとっても爽やかな気持ちになった。

自分も中学の頃バンドでギターをやっていたので、当時を思い出しました。メンバーと夜明けまで練習したり、スタジオに行って録音したり、雑誌でメンバーを募集したりと、小説さながら青春していました。高校になって、少しバンドをやっていたけど、そのうちバンド活動への情熱はなくなってしまった。その後、再びデザイン学校のときの友人たちと洋楽やギターの話題で盛り上がり、友人宅でギターを弾いたり、夜通し音楽談義。学園祭でバンドしたり。いやはや懐かしい日々。こういうのって男はみんな通る道なのかな。

レ・ミゼラブル観ました!

レ・ミゼラブルは19世紀のフランスを舞台に、パンを盗んで19年間投獄された男・バルジャンの生き様、彼を追うジャベール警部の執念、激動の時代、革命、そして人生の無情さを描いた壮大な物語。ヴィクトル・ユゴーの原作、ミュージカルとして世界各国で長きに渡り上演されてきました。(昔、NHKで放映したジェラール・ドパルデューがバルジャンを演じたフランスのTVドラマも素晴らしかったです。)

その伝説的な物語を、役者として今一番輝いているヒュー・ジャックマンが演じるとのこと。これは見に行かないわけにはいかないということで、元日の夜に妻と間隙をぬって観てきました。

見終えて「感想」という言葉が、すぐに出てこないほど圧倒されてしまった。踊りこそないものの、ミュージカル仕立てで、役者が迫真の演技と歌で3時間ずっと魅了し続けてくれた。

胸が熱くなり、目頭が熱くなり、深呼吸。

レ・ミゼラブルは人間の賛歌。人生は希望に溢れ、絶望することもあるけれど、誰かのために生きることこそが魂だと教えてくれます。

個人的にはアマンダ・セイフライド演じるコゼットが良かった。

ビクトル・ユーゴーの同名小説を原作に、世界43カ国で上演されて大ヒットを記録した名作ミュージカルを、ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイら豪華キャストで映画化。監督は「英国王のスピーチ」でアカデミー監督賞を受賞したトム・フーパー。舞台版プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュも製作に名を連ねる。パンを盗んだ罪で19年間服役したジャン・バルジャンは、仮出獄後に再び盗みを働いてしまうが、罪を見逃してくれた司教に感銘を受けて改心する。やがて運命的な出会いを果たした女性ファンテーヌから愛娘コゼットを託されたバルジャンは、執念深いジャベール警部の追跡を逃れ、パリへ。バルジャンとコゼットは親子として暮らすが、やがて激動の時代の波に飲まれていく。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

ずっと見たいと思っていた映画。上映期間中にはタイミングが合わずに逃してしまったので、意外と早くiTunesに登録されてうれしいです。

今までにないタイプの9.11映画

9.11を題材にした映画は数多くありますが、残された家族の側を描いた作品はあまりないと思います。多くの人々の心を深く傷つけたテロ事件でしたが、主人公オスカーのように肉親を失った子供たちは多いのだと思います。ある日、突然に「死」と直面して、それを受け入れなければならないなんて子供たちには残酷ですよね。映画の中でオスカー少年が見せた、父親の遺品の匂いを嗅ぐシーンがとても切ないです。

人間って素晴らしい

自分が素晴らしいなと思ったのはオスカーが道中で出会う人々の暖かさ。子供から大人まで様々な人に出会うわけですが、皆、それぞれに何かを失っていたりする。それでも「生きている」ってところをオスカーの目を通してうまく描いているんですよね。

そして、誰よりもオスカーを心配し、暖かく見守る母親の存在。彼女自身、夫を失った喪失感につぶされそうなはずなのに・・・。いつだって母親の存在は偉大だなって思うのです。息子を想う母の愛情がひしひしと伝わってホロリとさせられます。

子役のトーマス・ホーンが輝いています

とにかく、主人公オスカーを演じるトーマス・ホーンの演技が素晴らしいです。無名の新人ながらも、繊細な少年の役を見事に演じていて、ベテラン俳優のサンドラ・ブロック、トム・ハンクスにも負けていません。

それにしても面白いのが、映画の俳優なんて無縁だったトーマス君が、なぜ映画に出演することになったのか?それは彼がクイズ番組に出演していたところ、この映画のプロデューサーの目にとまったからなんだとか。ちなみに、クイズ番組では優勝したそうです。とても頭脳優秀で4ヶ国語が喋れるとか。将来が楽しみです。

自分の鍵穴

この映画は鍵穴をメタファーに人間の心を見事に描いてると思った。いつでも、人間はいつでも鍵穴を探している生き物なんだなということ。自分がこうありたい、こうしなくちゃいけないという脅迫観念にとらわれている。最終的にピッタリ合う鍵穴は見つからないことがわかっていても。でも、そんな拘りを捨てさることができれば扉は向こうから開くのかもしれないね。と、いろいろと考えさせられる映画でした。

9.11同時多発テロで最愛の父トーマスを亡くした少年オスカー。その死に納得できないまま一年が経ったある日、父のクローゼットで見覚えのない一本の鍵を見つけると、その鍵で開けるべき鍵穴を探す計画を立てる。かつて父と楽しんだ“調査探索ゲーム”のように。悲しみで抜け殻のようになった母に失望したオスカーは、父が遺したはずのメッセージを求めて、祖母のアパートに間借りする老人を道連れに旅に出る。

スラムドッグ$ミリオネア

AppleTVが本当に便利すぎる。リビングに居ながらにして見たい映画がレンタルできるのは素晴らしいですね。さて、今日は前から気になっていた「スラムドッグ$ミリオネア」を見ました。

物語の舞台は新興国として経済発展が著しいインドの大都市ムンバイ。そのスラム街で生まれ育った兄弟の物語。映画のタイトルにもある「クイズ$ミリオネア」というテレビ番組に、スラム育ちの若者がなぜ出場することになったのか?それは見てのお楽しみなのですが、番組の進行と、兄弟が必死に生きる姿の回想シーンとが、警察の取り調べという形で描かれていて面白い!

作品ではスラム街の貧困層の暮らしをリアルに描いていて、深く考えさせられます。経済発展により、貧富の差は小さくなっているという見方もあるけど、今も、貧しい家庭の子供たちはマフィアの餌食になっているという話だし、カースト制度による差別もあり、問題の根本的な解決は相当難しいのだと思います。兄弟の幼少時代、毎日を逞しく生きる姿は見ていて切なくなります。

ミリオネアというタイトルから億万長者となるようなサクセスストーリーを想起しがちだけど、本当のテーマは運命を受け入れて、一生懸命生きるということだと思いました。

この映画、2009年のアカデミー賞・ダニー・ボイル監督ということで、期待していたのですが、本当に面白かったです。映画がはじまったとき、インドだからムトゥーのような映画だったら面白いよね、なんて冗談で妻と話していたのでけど、最後のエンドロールを見て爆笑してしまった(笑)これも見てのお楽しみですね。

テレビ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、賞金を獲得したジャマール(デヴ・パテル)だったが、インドのスラム街で育った少年が正解を知るはずがないと不正を疑われ逮捕される。ジャマールになぜこれほどの知識があり、この番組に出演するに至ったのか。警察の尋問によって、真実が明らかになっていく。

思い出トランプ – 向田 邦子

エッセイばかり読んでいたからある意味新鮮な短篇集。どの作品も向田さんの独特な「昭和でウィットでペーソス」な雰囲気を醸し出している。

この作品は男女のテーマが多いのだけど、読んでみて、いつの時代も男って変わらないよなって思った。結局のところ、男ってのは女性の前で格好良くいたいだけなんだよなぁ。ちっぽけな見栄と自尊心を見破られないように一生懸命に取り繕って生きている・・・。そんな男心を見事に描いてしまう著者に脱帽。男じゃないと分からない世界ってあるだろうと(笑)それにしてもこの作品に出てくる女性がなんとも「リアル」で怖い。

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カーズ2

「カーズ2」見てきました!ピクサー映画なので贔屓目ですがとても面白かったですよ。本編の前のショートムービーは、なんと「トイ・ストーリー」。あのケンとバービーの心温まるラブストーリーに注目です。

さて、映画のストーリーですが、前作はカーレースに絡めたヒューマン(車)ドラマという、意外な感じが面白かったですが、今回はスパイ映画(ちょっとナイトアンドデイっぽい)+カーレースというスリリングな展開で最後まで手に汗握る感じ。

物語の主人公はもちろんマックイーンですが、もうひとり相棒のメーターも大活躍します。メーターってスター・ウォーズでいうところのジャー・ジャー・ビンクスのような感じですよね。騒がしくて、もう少し、落ち着いて欲しい(汗)と思って観ていました。だけど、この設定がしっかりと物語を作っていくのだから不思議。最後にはしっかりと感動させてくれます。

ストーリーの練りこみも毎度の事ながら素晴らしく、ピクサー映画の完成度の高さを物語っています。でも、今回はちょっと内容詰め込みすぎた気がする。とくに舞台を3カ国も移動するものだから、目まぐるしさを感じずにはいられませんでした。

Perfumeの曲が挿入歌&エンドロールに使われていて、ちょっと嬉しかったり。

父の詫び状 – 向田 邦子

「眠る杯」が面白いと言っていたら、妻にプレゼントしてもらいました。向田さんにかかると、何気ない話さえ、本当に面白おかしく仕立てられてしまうから不思議。読者には昭和の日常がリアルかつ、鮮明に思い浮かんでくることでしょう。それにしても向田さんは父親に対する想いは特別のようですね。本人は「眠る杯」にてちょっと書きすぎた・・・。ようなことを後日談として書いていましたが、父親のことを木訥で、粗暴でと言う割に、偉大な父親としてとても尊敬していたのではないかと感じました。そういう家族の等身大の気持がいっぱい詰まっているところも好きです。

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